SETOUCHI CRAFT TEAができるまでvol.2「いちじくの葉×瀬戸内煎茶」
ここではSETOUCHI CRAFT TEAができるまでの知られざる秘話を語っていきます。2023.8月から毎月頑張って一回、瀬戸内の産物と瀬戸内茶のブレンドティーを作ります。最終形態の商品になるまでは遠い道のりだと思いますが、読み物としてもどうぞお楽しみに。
SETOUCHI CRAFT TEAとは瀬戸内の新たなる魅力の発見をお茶を通して表現していくということです。まだ知られざる瀬戸内の産物をお楽しみ頂け、日本茶との融合でお茶の知られざる価値にも気づいていただきたいと思います。
9月のSETOUCHI CRAFT TEA
いちじくの葉と瀬戸内煎茶のブレンド
広島の隠れた名産、それはいちじくです。
私たちにとって身近にありすぎて見向きもしなかったものですが、一パック300円くらいで売っているものが東京に行くとその倍になっている事実を知りびっくりしたこともあります。いちじくの生産量は広島県では尾道市がトップレベルです。
いちじくは輸送し辛く、近年まで遠くへ出荷することが難しく、地元で消費されることが多かったみたいです。もともとみかんの次に生産され始めたのがいちじくだそう。
尾道のいちじくは蓬莱柿(ほうらいし)という品種です。お尻の部分がパカッと割れて収穫時期を教えてくれるみたいです。ただ毎日朝4時ごろから収穫しないとすぐに圧倒的な虫たちが開いた部分から入ってくるのだそう。そのためまだ緑の状態で収穫して、販売先で後熟されることもあるらしいです。まるでバナナと同じですね。蓬莱柿は甘味もねっとりとした味で、食べると本当に幸せな気分にさせてくれます。
さて、いちじくの葉っぱですが、もともと知り合いの方から2 年前に頂いたいちじくの葉を使ったお茶にとても衝撃を受けたのが始まりでした。そのいちじく茶葉表現が何ともし難い、甘さとお香を焚いた時のような芳醇さと神秘的な香りが入り乱れていました。いちじくの葉はとても大きく、一枚とったらそこから白い汁がどんどんと出てきます。
今回のいちじく畑は尾道市の向島というところにあります。育てている方は村上さんです。村上さんはコロナ前に向島に尾道観音山フルーツパーラをオープンさせました。さまざまな柑橘やいちじくの栽培を無農薬でされていてそのフルーツでパフェを作っている6次産業をされています。今回も朝8時から畑を案内して下さり、たくさんの話をしていただきました。
除草剤などもいっさい使わずに、あえて保湿性を高めるために雑草をある程度の高さをキープしています。そんな畑のいちじくはとても生き生きしていました。
いちじくも剪定をしないとあっという間に背丈を超え3,4メートルまで伸びるみたいです。人が収穫しやすいようにある程度の剪定をしているみたいです。そこはお茶畑も同じです。
今回島に渡ってみて感じたことは、瀬戸内の気候はフルーツを育てるのにはとても最適だと改めて認識しました。そして、土壌、品種、気候、育てる人で同じいちじくでも全然違うことも勉強になりました。
村上さんにご紹介頂いた他の農家さんのところに赴き、異なるいちじくの品種を見させていただきました。実の色も、葉っぱの形も異なり、味も違いましたが、やはり蓬莱柿が甘味がありねっとりしていて美味でした。
他の品種は実の色が紫↓
葉っぱの形状が全く違う↓