SETOUCHI CRAFT TEAができるまでvol.1「藍茶×阿波番茶」

ここではSETOUCHI CRAFT TEAができるまでの知られざる秘話を語っていきます。2023.8月から毎月頑張って一回、瀬戸内の産物と瀬戸内茶のブレンドティーを作ります。最終形態の商品になるまでは遠い道のりだと思いますが、読み物としてもどうぞお楽しみに。

SETOUCHI CRAFT TEAとは瀬戸内の新たなる魅力の発見をお茶を通して表現していくということです。まだ知られざる瀬戸内の産物をお楽しみ頂け、日本茶との融合でお茶の知られざる価値にも気づいていただきたいと思います。

8月のSETOUCHI CRAFT TEA
藍の葉と阿波番茶のブレンド

藍の2番摘みの葉

藍の葉には前々から興味がありました。普通の葉っぱとは異なり、とても鮮やかな藍染の色に惹かれていました。

そんな中、福山市山野町というところで藍の葉から育て染料になる蒅(すくも)作り、染色をしている藍屋テロワールさんと知り合うことがありました。

急遽藍の葉っぱの2番摘みができるとのことで、8月中旬にお邪魔しました。藍も日本茶と同じく1番茶、2番茶という概念があり、1番摘みの方が2番摘みよりも発色が良いみたいです。鎌で刈り取り、葉っぱを食べて見るとネットりとしてお世辞にも美味しいとは言えない蔓紫とそっくりな食べ心地と香りでした。

茶畑のような藍畑

葉を摘んで少し置いておくだけで、
真っ青に葉が変化して行ったのはとても興味深い体験でした。

摘んですぐ色が濃い青色に輝いている藍葉

藍の茎について
藍の茎は染料にならない部分です。ですので通常では廃棄するものですが、今回はお茶にしてみました。そうするとびっくりするほど甘いお茶になりました。本当にみたらし団子のタレのような不思議なお茶です。ただ乾燥させただけだと生の要素が強すぎて飲みにくいので強火でお茶の乾燥機にかけてあげることでかなり甘味がましました。お茶と同じく茎は養分が通るところなので甘味が強いのでしょう。

すくも
すくも(食べると若干塩味が感じられた)
藍屋テロワールの藤井さん
(栽培から蒅作り、染色まで一貫した仕事をするのは全国でも珍しい)

合わせた日本茶について

ブレンドのお茶となる阿波番茶はとても偶然ですが、藍染が日本一盛んな徳島県で古くから作られている乳酸菌発酵番茶です。そして藍と同じく本来の意味で発酵させて作る唯一の日本茶です。

藍の葉の香りは独特で、尚且つあまり主張もしないので、日本茶の味・香りに負けやすく、ほうじ茶や煎茶とは形状の問題上、抽出時間などが一致せず、どの日本茶とも相性が合いづらかったのです。

ただ唯一相性の良かったものが形もそっくりな爽やかな阿波番茶と美作番茶でした。阿波番茶とは焙煎していない乾燥だけの藍の葉が合い、美作番茶とは焙煎した茎が美作番茶の焙煎に甘みを加えてくれるような要素になりとても相性が良かったです。もちろん抽出時間も合い、良い感じでした。

ただまだまだ暑い日も続くので今回は阿波番茶の酸味と、藍茶の乾燥しただけのお茶をブレンドしました。夏の終わりかけにちょうど良い爽やかなブレンドになりました。

ぜひ氷を入れてオンザロックがおすすめです。淹れ方は2g 100ml 熱湯で3分、その後氷の上にそそぎ急冷して飲んで下さい。